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8月, 2024の投稿を表示しています

東京都の山々 臼杵山

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東京都の奥多摩の入口的存在である、戸倉三山。 前回はその南端の市道山を紹介しました。今回は西端の臼杵(うすき、うすぎ)山(842メートル)を紹介します。 地図は、国土地理院のweb地図に作画して引用しました。(以下の引用も同様) https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html 赤いマーカー群で隠れて見えませんが、市道山の少し北にある山が、臼杵山です。 戸倉三山を巡るコースは、このピンク色で示した通り、周回が可能です。右回り、左回り、自由自在です。 凡例:赤いマーカーは、ピーク(高いところ) 臼杵山頂へのアクセスは、北東のあきる野市の戸倉からのルートと、北西の檜原村の元郷からのルート、東の小津・上恩方方面からのルート、そして南の市道山(陣馬山・醍醐丸方面)からの縦走ルートの4つが、主要ルートです。 これ以外にもバリエーションルートがあります。 どのルートも、アップダウンが頻繁で、標識が少なく分岐が非常に多いという、地図コンパス山歩きの格好の練習の場となっています。 (長い距離とアップダウンの多さから、三山周回はどえむルートと呼ばれます(笑)) 各ルートのアップダウン状況 <北西ルート> 登りの前半部分が急登の連続で、後半もアップダウンの繰り返しです。 檜原村からの主要アクセスがこのルートしかないことから、西の笹平付近からここへ直登しようという試みが少なからずなされています。 (バリエーションルートは、後ほど紹介します) <北東ルート> 凡例:ピンク色は傾斜が急。太ければ太いほど急傾斜。    緑色はなだらか。(標高差10メートル以内) 北東には、戸倉にいたる尾根が伸びていてこの東端から取りついて尾根の上を縦走するルートになっています。 東端の城山付近に登る道は、3方向いずれも急登になっています。 荷田子峠に登る道も急登で、その少し先や、臼杵山頂直前にも急登部分があります。 それ以外は、緑色のなだらかな区間です。 <南ルート> 南の市道山からはいったん下り、なだらかな道をたどった後、後半は急登とピークの上り下りの繰り返しが少し続きます。 各ルートの分岐状況 凡例:赤い線は尾根、青い線は谷、赤いマーカーはピーク(小さい山の山頂含む)    斜めの赤い線は磁北線 臼杵山の構造は、このようになっています。登山道と一致しています。

東京都の山々 市道山

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東京都民以外にはあまり馴染みのない、マイナーな山です。 「でした」というほうが良いかもしれません。ここ数年の間に利用者が増加しています。動画も数本以上挙がっているのを、確認しました。 最近は低山ブームというのがあり、その影響かもしれません。 地図は、国土地理院のweb地図に作画して引用しました。(以下の引用も同様) https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html このブログでは、高尾山から始まり、まずは笹尾根を紹介し、次に高尾山の北に並ぶ山々を紹介してきました。 今回の市道(いちみち)山は、檜原村・あきる野市にあります。 標高795メートル。 登山ルートは、ふもとから直接登る安全確実なルートがありません。 (北北西に延びるヨメトリ坂ルートがありますが、点線で示している通り不明瞭です) ただ、バリエーションルートが東西にあり、各種登山アプリの記録や動画などからほぼ安全なのではないか?という想像ができそうです。 しかし整備された笹尾根などに比べ道はあるが自然のままという状況なので、地図とコンパス、登山アプリやGPSを使用したほうがよいでしょう。 この山は、北の臼杵山・刈寄山と併せ戸倉三山とも呼ばれ、この3つの山を結ぶ縦走路は地図とコンパスを使った登山の練習ルートといわれています。 各登山ルートのアップダウン状況 赤いマーカー(ピークを表します)が多数あって見えにくいですが、南北の縦走ルートは、緑色のなだらかな部分が多い(とくに醍醐丸にいたる南半部)状況で、急登部分は一部だけとなっています。 東へ行く縦走ルートには、赤いマーカーが多数あります。 ひたすらアップダウンが続き、そのしつこい繰り返しであることが分かります。 登山初心者向けの山といわれますが、なかなかきついルートですね。 ヨメトリ坂ルートは、最初と最後が急登です。 拡大その1(東ルート) ピークとピークの間は、西半部では急登(ピンク色)が多いのに対し、東半部ではなだらかな部分(緑色)が多い模様です。 しかし、13か所のピークの上り下りがあります。 拡大その2(北ルートと、北西ルート) 北ルートは、急登あり、なだらかありです。 北西ルート(ヨメトリ坂)は、急登部分が比較的長いです。 ただここはいわゆる点線部分の難路になっています。 拡大その3(南ルート) ここは、なだ

東京都の山々 要倉山系(中谷山尾根)・恩方山系

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今回紹介する山は、要倉山です。標高562メートル。 ただこの山系の最高峰は、西端にあるメシモリ岩山の755メートルです。 前回紹介した北高尾山稜の北西にある尾根で、西端は陣馬山の北1.2キロメートル付近にあります。 地図は、国土地理院のweb地図に作画して引用しました。(以下の引用も同様) https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html トレッキングルートは、いちおう地図のようになっています。 東西に連なる山々をめぐる稜線ルートです。10か所のピークを登り降りします。 西からの登り口は、陣馬山の北の和田峠付近です。 東からは、西東京バスの夕焼け小焼けまたは関場のバス停出発で、2通りあります。 尾根の東端の登り口は明瞭でない(下りは問題ないと思います)ので、登り口に使うには北から入る箇所のほうがよいでしょう。 このルートは、整備されておらず、分岐点での標識も無いという情報があります。 (各山頂には、さすがに標識があるようです) 地図・コンパス・GPSなどが必須で、事前の下調べも十分に行う必要があります。 樹木が多く(伐採時期を除く)、眺望はほとんどない模様です。 マイナーな山道歩きを楽しみにしている人向けですね。 ルートのアップダウン状況 凡例=ピンク色の線は、急登区間(太い線はきつい急登)。    緑色の線は、10メートル以内の上下を含む区域(等高線と等高線の間)を通っているなだらか区間。    斜めの赤い線は、磁北線。 稜線の東端は、急登箇所になっていて一気に標高を上げ下げする区間です。 東端の第1急登が、距離175メートルで斜度25度。第2急登が、距離225メートルで斜度19度です。25度は岩場登りレベル。 稜線上にはピークがところどころにあって、それへのアップダウンが繰り返します。 ただ稜線上は、なだらかに登り降りする区間が、多いです。 ルート上の分岐点 凡例=ルートのアップダウン状況図に、さらに作画作図を加えています。    赤い線は、尾根。    薄い青色の線は、谷。    黄色いマーカーは、分岐点。    なお尾根が分岐している箇所の中に、黄色いマーカーが付いていないものもあります。 支尾根線のうち黄色いマーカーが付いているものは、過去に人が通ったという情報がある場所です。 安全性は保証できません。自己責任

東京都の山々 北高尾山稜

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東京都と神奈川県・山梨県の県境山稜の紹介が一通り終わったので、次は、高尾山・小仏城山・景信山のすぐ北にある尾根を紹介したいと思います。 国土地理院のweb地図に作画して引用しました。(以下の引用も同様) https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html 北高尾山稜と呼ばれる、距離8.1キロメートルのものです。 通しで歩くと、5時間40分とされています。 これは東端が八王子城跡になっていますが、JR高尾駅の西1.5キロメートル付近にも登山口があります。 それ以外にも、バリエーションがあります。 南の高尾山系に比べると、歩いている人が少ない道です。 樹木が生い茂り眺望がほとんどないこと、標識は一応あるが怪しい(笑)分岐が多いこと、道が狭く整備されていないことなどから、ハイキングに適さず、また標高700メートル以下の低山の連なりであることから登山向きではありません。 ただ近年のトレッキング(山道歩き)ブームもあって、徐々に利用者が増えている状況です。 ルートのアップダウン状況 標高10メートル以内の道が続くなだらかな道が、緑色。 小さな山の山頂が、赤いマーカー。その前後は登り降りの道です。 等高線が密で急登になっている箇所が、赤い線。 (順調な登りが赤い細い線、少しきつめの登りが赤い太い線です) なだらかなハイキングができる箇所が多いですが、所々に山頂ピークが点在し、尾根らしいアップダウンを繰り返すという特色があります。 中程度以上の体力が必要といえます。 ルートの地形状況 この道は、北高尾山系の南端で、しかも山系の背骨部分です。 ここから、南北に多数の支尾根が分岐しています。 尾根があれば、谷があります。 (むしろ自然現象的には、谷が主役で、尾根は残りかすなのですが) 道は、東西に連なっていますが、まっすぐではなく所々直角あるいはヘアピンターンがあります。 稜線上を勢いをつけて走る用には(標識が見えにくい)、少し難度が高いでしょう。 拡大図その1 アップダウンのアップを表す色を、ピンク色に変えています。 尾根線を表す赤い色と被るからです。 八王子城跡(446メートル)の南に、道があります。 所々、直角に曲がる箇所があります。黄色いマーカーで示しています。 富士見台(550メートル)は、下るときは来た道の西隣りの道を下ることに

笹尾根ルートの特色(2)分岐

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どんなルートもそうですが、登山道には必ず分岐があります。 まず、他の登山道との分岐。 次に、一般的な登山道ではないが登山者や他の人々が踏んだことによりできた道との分岐。 次に、分岐する道があるように見える分岐。 この笹尾根ルートは、各分岐点で標識が充実しています。 しかし、その分岐点というのは、上記の分岐3種類のうちの1種類目の道との分岐点です。 それ以外の2種類の道との分岐点には、標識が立っていません。地図に表記のない分岐点に立った時は、登山アプリや、地図・コンパスなどにより、現在地を特定する必要があります。 また、標識が存在していても、標識の指す方向を誤るときもあります。 「右斜め前」とある標識を見誤り、「右」に進むとかです。 右斜め前と右は、違います。 戦闘用語でいうと、右斜め前は1時ないし2時の方向、右は3時の方向です。 右といっても、2時よりの3時もあるし、4時よりの3時もあります。方向は、できるだけ細かい区分でとらえる必要があります。 国土地理院のweb地図に作画して、引用しました。(以下の引用も同様) https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html 赤いマーカーは、上記3種類すべての分岐点を記したものです。 なお、他の登山道との分岐点は、下のようになります。 では、三頭山側から拡大して見ていきましょう。 三頭山から槇寄山へ 交差する尾根への道との分岐点や、他の登山道との分岐点があります。 この区間は、分岐点が比較的少なく、この地図の中央辺りには分岐点が一つもありません。 ここには、このルート最大級の斜度を持つ急登があります。つまり尾根が鋭い。 鋭い尾根は、斜度が急で、道幅も狭くなり危険度が増します。 しかしその代わり、明瞭です。分岐点もほとんどありません。 槇寄山から土俵岳へ なだらかな道になってくると、分岐点が増えます。 中にはバリエーションルートとの分岐点もあれば、尾根が分岐しているためそこに道があるかのように見える場所も、あります。 土俵岳から生藤山へ 日原峠の東に、3か所の赤いマーカーがあります。 ここはなだらかな平坦の区域が幅広く広がっていて、道がどこにあるかが不明瞭な場所です。 生藤山から陣馬山へ 右上の西南西から来たルートが南東方向にターンする箇所(醍醐峠)より少し南に、緑色の線が見えます。