笹尾根ルートの特色(2)分岐

どんなルートもそうですが、登山道には必ず分岐があります。

まず、他の登山道との分岐。
次に、一般的な登山道ではないが登山者や他の人々が踏んだことによりできた道との分岐。
次に、分岐する道があるように見える分岐。

この笹尾根ルートは、各分岐点で標識が充実しています。
しかし、その分岐点というのは、上記の分岐3種類のうちの1種類目の道との分岐点です。
それ以外の2種類の道との分岐点には、標識が立っていません。地図に表記のない分岐点に立った時は、登山アプリや、地図・コンパスなどにより、現在地を特定する必要があります。

また、標識が存在していても、標識の指す方向を誤るときもあります。
「右斜め前」とある標識を見誤り、「右」に進むとかです。
右斜め前と右は、違います。
戦闘用語でいうと、右斜め前は1時ないし2時の方向、右は3時の方向です。
右といっても、2時よりの3時もあるし、4時よりの3時もあります。方向は、できるだけ細かい区分でとらえる必要があります。




















国土地理院のweb地図に作画して、引用しました。(以下の引用も同様)
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html

赤いマーカーは、上記3種類すべての分岐点を記したものです。
なお、他の登山道との分岐点は、下のようになります。





















では、三頭山側から拡大して見ていきましょう。

三頭山から槇寄山へ





























交差する尾根への道との分岐点や、他の登山道との分岐点があります。
この区間は、分岐点が比較的少なく、この地図の中央辺りには分岐点が一つもありません。

ここには、このルート最大級の斜度を持つ急登があります。つまり尾根が鋭い。
鋭い尾根は、斜度が急で、道幅も狭くなり危険度が増します。
しかしその代わり、明瞭です。分岐点もほとんどありません。

槇寄山から土俵岳へ










なだらかな道になってくると、分岐点が増えます。
中にはバリエーションルートとの分岐点もあれば、尾根が分岐しているためそこに道があるかのように見える場所も、あります。

土俵岳から生藤山へ










日原峠の東に、3か所の赤いマーカーがあります。
ここはなだらかな平坦の区域が幅広く広がっていて、道がどこにあるかが不明瞭な場所です。

生藤山から陣馬山へ













右上の西南西から来たルートが南東方向にターンする箇所(醍醐峠)より少し南に、緑色の線が見えます。
これは、進行方向のピークの脇に、同じ標高の地形の道のようなものが広がっている場所を指します。

アップダウンのある尾根道を歩いているといっても、だんだん疲れてきます。
先が長いとなると、なおさら省エネで歩きたくなります。
そういう時に、進行方向に登らなくてもよいピーク、つまりそのピークの脇にピークを巻くような道があるように見えるとき、ついその脇の道のように見える方向に進んでしまうことが起こります。

この緑色の線は、そういう登山道から外れた道(先のほうに通り抜けて東の林道と合流しています)を示しています。
脇道と思って進んだら、まったく別の方向に進んでしまうというものです。

この笹尾根ルートの各山頂には、多数の巻く道が存在します。
しかし中には、入り込むとこのようにまったく別の方向に進んでしまう、見かけ巻き道というものがあります。

陣馬山から景信山へ













景信山の南西斜面には、前にこのブログでも紹介しましたが、多数のいわゆる勝手巻き道が存在します。
登山者やハイカーが、地図に記された登山道から離れた辺りを自由奔放(笑)に歩き回った結果といえるでしょう。
もちろんどこを歩こうと、登山者やハイカーの自由です。
安全性に気を付けて、自己責任で歩いてください。

景信山から高尾山へ
















この辺りは、巻き道が多数あります。

そして、中央付近、ピーク526の東に、3通りの道の分岐点があります。
東から西へ行くときに、その分岐点で北の道を選べば、ピーク526の巻き道です。
しかし南の道を選ぶと、遠く離れていき、まったく別の方向に行ってしまいます。

その分岐点の東、高尾山との間に、ピークを通る中央の道と、それを巻く南北の道があります。
この辺りは、3通りの道いずれを歩いても、先で合流します。

予備知識がないまま「巻く道を行こう」と安易に選んでしまうと、道迷いの原因になります。

コメント

このブログの人気の投稿

いま話題の富士山の山頂と、各ルートの地形状況

登山をしようと思った時、あなたはその山をどう思っていますか?

遭難事例の検証2 道を90度間違える