遭難発生 2025・6・21 雁ヶ腹摺山 (滑落・死亡)

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 参考 国土地理院web地図に作画して引用https://maps.gsi.go.jp/

   ヤマレコhttps://www.yamareco.com/


遭難発生

(このブログは、遭難の詳細な内容を解説しません。それを手がかりに、山や山道の姿を調べる内容です)

2025年6月21日、山梨県にある雁ヶ腹摺山(標高1874メートル)で、滑落による死亡事故が発生しました。

事故で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

凡例 赤色と少しの緑色が集まっているところ=雁ヶ腹摺山が属する山系


雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)の姿かたち

拡大すると


凡例 赤い斜めの線=磁北線
   赤い線=尾根
   緑色=山頂や小山頂

雁ヶ腹摺山は、1つの大きな山ではなく、この地域に広がる山系の中の一峰です。

東西に長く伸びる尾根の西端で、南北に長く伸びる尾根の北端、つまり両尾根が直角に交わる場所にこの山はあります。

かなりの山奥で、直近のバス停のハマイバ前バス停からなんと11.4キロメートル。
登山に慣れた人でも、歩いて6時間以上かかります。
西ろくの大峠まで自動車で来て、そこから登る(1.4キロメートル)のが定番です。

山頂からの眺めが素晴らしいという評判です。


山頂付近の姿かたち

地形


凡例 黄色い円マーカー=山頂
   緑色=山頂付近の最高度の等高線
   赤色=尾根
   青色=谷

東・西・北に各1本の尾根が伸び、南には2本の尾根が伸びています。

山頂付近の等高線の間隔が非常に広く、頂上には広いスペースがあります。

山頂の近くの1850メートル標高線以上は、樹木がありません。
元から無いのか、伐採されたのかは不明ですが、そのため眺望が開けています。


登山道


山頂に登る登山道は、3本あります。いずれも、尾根を利用しています。

 西の大峠から登る道。

  もっとも一般的なルートと評価されています。

 南東の大月駅・金山峠から登る道。

  なお途中で、姥子山へ行く道を分岐します。

 東の連なる山々から縦走する道。

  ヤマレコではいわゆる点線ルートと評価されている、難路です。


登山道の姿かたち

A 大峠からルート 1.4キロメートル(標高1564→1874)

アップダウン状況


凡例 黄色い円マーカー=目印
   ピンク色=登りあるいは下り(太いほど急傾斜)
   緑色=高低差が10メートル以内の道

大峠からすると標高300メートルの山に、南から迂回しながら急激に標高を上げつつ登っていくルートです。

急登箇所が5か所あり、体力が小さい方や高齢者には無理かもしれません。
山頂に登らずとも、大峠からの眺望も素晴らしいと聞きます。そこからの眺めで満足するのもよいかもしれません。


分岐状況


凡例 黒い太い矢印=正しいルート
   ピンク色の矢印=登山者が自由に行動した結果
   赤い点マーカー=登山者の自由な行動の結果できた分岐点

1本道で道迷い要素はない、と思っていたら、意外に多数の分岐があり驚きます。

まず出発地(登山口)と山頂が、最も間違えやすいです。
違う方向に登ったり下りたりすると、それだけで道迷い遭難となります。

次に、登山者が自由に付けた踏み跡に惑わされないことです。

このルートの南端の辺りから南に向かって進むバリエーションルートがあり、その道との分岐ができています。

また山頂に登る手前に東に行こうとする踏み跡がありますが、これは雁ヶ腹摺山に登らないショートカット巻き道を作ってその東にある山々に直行しようとする目的だと推測されます。
この道との分岐点も、いくつかあります。

ヤマレコなどの踏み跡記録を参考にそこを歩いてみようとする人もいますが、安全な道として評価されていず、危険を承知で行く必要があります。


B その他のルート

これ以外にも、南東の大月駅付近から金山峠経由で行くルートや、東の大樺ノ頭経由で縦走してくるルートもありますが、いずれも現実味に乏しいものになっています。


まとめ

西の大峠から登ると、実質的に、標高300メートルの山となります。

そのため「容易に登れる」と勘違いすると、滑落などの遭難事故が起きやすくなります。

実際の登山道は、急登箇所が5か所もあります。
急登とは傾斜が急なことで、急坂のほかに、ロープや鎖を使って登ったり、岩登りがあるという意味です。
また、道が狭く一歩踏み外すと谷底に落ちてしまうという箇所や、濡れている石があり滑りやすい場所も、あります。

この山は、登山に慣れた人なら比較的容易に登れる程度ですが、登山をあまりやらない人には難度がかなりあるでしょう。

登山の格言で「一命取る」というのがあります。
人は、1メートル落ちると命を落とす可能性がある、という意味です。

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