山の姿かたちを知る5 眉山(徳島市)
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はじめに
今回は、徳島県の県庁所在地である徳島市の市街地のど真ん中に位置する、眉山(びざん)という標高290メートル(山頂はもう一つ、277メートルのもある)の山を見てみようと思います。
徳島といえば、夏の風物詩、阿波踊りが有名です。
徳島市に行く機会があれば、この眉山も注目してくれるとありがたいです。
近畿地方の西、中国地方の南、四国地方の東端にある県です。
江戸時代は、蜂須賀氏の阿波藩。
蜂須賀氏は、豊臣秀吉の家臣・蜂須賀小六の子孫です。(江戸時代に血統は絶え、徳川氏から養子を迎えました)
蜂須賀氏は、豊臣秀吉の家臣・蜂須賀小六の子孫です。(江戸時代に血統は絶え、徳川氏から養子を迎えました)
国土地理院のweb地形図に、私が作画して引用しました。https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
眉山は、県庁所在地の徳島市のここにあります。
JR徳島駅のすぐ南西にあります。
市街地の真ん中にあります。
眉山の姿かたち
山の本体を尾根と仮定して、眉山を表したものです。
東西に連なる主尾根があり、そこから南北に支尾根が多数伸びています。
東西に連なる主尾根があり、そこから南北に支尾根が多数伸びています。
よく「地脈」という言葉が語られますが、こういう図を見るとなるほどと思いますね。
ただ、確かに見た目は尾根が突起していて目立つので山の本体に見えるでしょうが、じつは山の真の本体は谷です。
山に降った雨のうち地中に染み込まなかった水が、山の表面を流れます。
表面が削られます。削られた場所が、谷です。
つまり尾根というのは、削られなかった残りの場所に過ぎません。
山に降った雨のうち地中に染み込まなかった水が、山の表面を流れます。
表面が削られます。削られた場所が、谷です。
つまり尾根というのは、削られなかった残りの場所に過ぎません。
眉山の一般登山ルート
緑色は、等高線が閉じたところです。ピークと呼ばれます。
赤いマーカーは、他の道との分岐点や、直角にターンする箇所です。
斜めに入っている赤い線は、磁北線です。
拡大図その1
眉山天神社の脇から階段を登り、いったん車道に出てから今度は尾根を登っていくルートです。
整備された道までの距離(階段を含めて)が725メートル、その間の標高差が230メートルで、角度17度(31%)とかなりの急坂です。
この登山ルートの急登のほぼ全部が、ここにあります。
拡大図その2
ここに展望台があります。
そして眉山のもう1つの山頂であるピーク290へは、この車道を西にたどっていきます。
拡大図その3
この地図の中央部分に赤いマーカーが付いた破線部分がありますが、これはその車道をショートカットしたルートです。
赤いマーカーは、迷いやすい箇所につけています。
そして歩いていくと、やがて分岐点が現れます。左(南)か右(西)か。
ここは、右(やや下る道)を選びます。
ここは、左の道のほうが尾根線が明確に連続していて、地形図に記され、踏み跡もしっかりしているので、もし地図を持っていないと間違って入り込む恐れがあります。
拡大図その5
左(南)の道を選んでも危険度はそれほどないようで、人家のある場所にたどり着けるという情報があります。
ただ予定していた行き先と異なる場所に行ってしまうのは、時間のロスといえるでしょう。
ここは、右(やや下る道)を選びます。
ここは、左の道のほうが尾根線が明確に連続していて、地形図に記され、踏み跡もしっかりしているので、もし地図を持っていないと間違って入り込む恐れがあります。
拡大図その5
ただ予定していた行き先と異なる場所に行ってしまうのは、時間のロスといえるでしょう。
なお、ここには自然の尾根線しか書いていません。
実際のルートと異なる可能性があります。
現地で地図と地形図と実際の道を見比べながら、歩を進めてください。
また各種登山アプリの情報も入手し、ルートを確認してください。
実際のルートと異なる可能性があります。
現地で地図と地形図と実際の道を見比べながら、歩を進めてください。
また各種登山アプリの情報も入手し、ルートを確認してください。
拡大図その6
一般ルートの地形概要
とくに尾根との出合箇所が、自然の分岐点になります。
この山は浸食が激しいため谷が深く切れ込んでいるところが多く、そのため尾根が複雑に入り組んでいます。
標高300メートルに満たない低山ですが、谷に迷い込んでしまうとなかなか抜け出せなくなりそうです。
(現に、この山で迷っている動画も上がっています)
標高300メートルに満たない低山ですが、谷に迷い込んでしまうとなかなか抜け出せなくなりそうです。
(現に、この山で迷っている動画も上がっています)
眉山の他の登山ルート
さすが市街地の真ん中にあるだけあって、一般ルートの他に様々なルートが開発されています。
ただすべての尾根や谷が開発されているわけではなさそうです。
もちろんここに載せている情報は、一部の情報です。もしかすると開発されているルートも、他にあるかもしれません。
ただすべての尾根や谷が開発されているわけではなさそうです。
もちろんここに載せている情報は、一部の情報です。もしかすると開発されているルートも、他にあるかもしれません。
<眉山北東2ルート、A・B>
まずAルート。
これは、地形図にも最初から記されているルートです。
春日神社の境内から南に行き、支尾根を登り、途中で一般ルートである急坂と合流します。
これは、地形図にも最初から記されているルートです。
春日神社の境内から南に行き、支尾根を登り、途中で一般ルートである急坂と合流します。
次は、Bルート。
地図には、具体的なルートを記していません。このルートの地形との関係を見るためです。
寺院の脇の階段から登り、そのまま支尾根を直進する(1)ルートと、途中で右にそれていく(2)ルートがあるみたいです。
その支尾根直進と思われる(1)ルートも尾根をそのまま直に登ることを避け、標高100メートル付近で右(西)に回避しながら登っていきます。
この右への回避をさらに続けると(2)ルートになります。
寺院の脇の階段から登り、そのまま支尾根を直進する(1)ルートと、途中で右にそれていく(2)ルートがあるみたいです。
その支尾根直進と思われる(1)ルートも尾根をそのまま直に登ることを避け、標高100メートル付近で右(西)に回避しながら登っていきます。
この右への回避をさらに続けると(2)ルートになります。
いずれも正規ルートではなく、恐らく地元の人が独自に開発したルートと思われます。
登るにあたっては安全性を十分に考慮し、地図と踏み跡をよく見て行く方向を決めるようにしてください。
登るにあたっては安全性を十分に考慮し、地図と踏み跡をよく見て行く方向を決めるようにしてください。
拡大図
B(1)は、この地図では尾根直進ですが、実際のルートは西にそれています。尾根が急登なので、それを回避したと思われます。
<眉山北2ルート、C・D>
いずれも、地形図に最初から記されているルートです。
東のほうのルート(C。文字が赤いマーカーと重なってしまいました)は、佐古東郵便局の東にある橋を南に渡った付近から出発し、まず谷を登っていき、途中で東隣りの尾根の上に登り、他の尾根と合流してその尾根を登っていくものです。
西のほうのルート(D。こちらも文字が赤いマーカーと重なってしまいました)は、諏訪神社の階段を上がり、左に折れるとまもなく登山口が現れるようです。
そこから尾根をたどり、登っていくルートです。
そこから尾根をたどり、登っていくルートです。
この両者では、西のほうのルートが利用者が若干多めという情報があります。
<眉山北ルート、E・F>
Eルート拡大図
Eルートは、徳島藩主の蜂須賀家の万年山墓所付近を登っていくものです。
尾根の上に既存の細い道があるようです。
尾根の上に既存の細い道があるようです。
山頂の眉山公園の西端に達します。
利用者は、少なからずいるという情報があります。
Fルート拡大図
Fルートの登山口は、万年山墓所付近から西に道をたどり、レンガ造りの徳島市水道局の前を通って、その道が少し北に屈曲した辺りから住宅街に入り、その奥です。
途中までは既存の道がありますが、その後はバリエーションルートです。
最初は、谷を登っていきます。
しかしやがて急傾斜で厳しくなるので、そこから緑の線をたどって西へ西へと進んでいきます。
この緑の線は何かというと、等高線と等高線の間です。等高線は標高10メートルごとです。
この間の地形は地図には載っていません。傾斜かもしれないし、平坦かもしれません。
ただこの辺りを西にたどっているということは、この付近に平坦な西に行く道が存在していることを示しています。
この間の地形は地図には載っていません。傾斜かもしれないし、平坦かもしれません。
ただこの辺りを西にたどっているということは、この付近に平坦な西に行く道が存在していることを示しています。
具体的には、現地で発見するしかありません。
誰かが独自に開発したのか、それとも迷い込んで歩いた結果の踏み跡なのか、不明です。
現地で見て、安全に通れそうなルートでないと判断した時は、撤退してください。
ただ、利用者はそれなりにいるという情報が、あります。
誰かが独自に開発したのか、それとも迷い込んで歩いた結果の踏み跡なのか、不明です。
現地で見て、安全に通れそうなルートでないと判断した時は、撤退してください。
ただ、利用者はそれなりにいるという情報が、あります。
<眉山西ルート>
分岐点がいくつかあるので、地図を見て間違えないように選択してください。
眉山山頂から西の地蔵越に向け、尾根の上を行くルートです。
拡大図その1
本来は、この黒い破線のように東に大きく迂回する道です。
地蔵越に降りる道は、急斜面です。
<眉山北西ルート>
地図のA~Fの6ルートは、バリエーションルートです。
Fルートの南にある車道が既存のルートですが、多くの登山者はその北のFルートを利用しています。
拡大図その1
Aルートは、車道をかなり登っていった先で分岐し、山頂に北の尾根からアプローチする道です。
利用者は、それなりにいるという情報があります。
利用者は、それなりにいるという情報があります。
Bルートは、車道を少し登った辺りから分岐していきますが、利用者がほとんどいないという情報です。
谷を進み、その後北隣りの谷に渡り、さらに南隣りの谷(Cルート)に進むという、なかなか複雑な行程です。
本当に道なのかどうか、疑わしいような気がします。
谷を進み、その後北隣りの谷に渡り、さらに南隣りの谷(Cルート)に進むという、なかなか複雑な行程です。
本当に道なのかどうか、疑わしいような気がします。
Cルートは、豊崎八幡宮付近から登る道で、ここは利用者が比較的多いという情報です。
この拡大図の左端から来ています。
そこを南に取れば、Dルートです。
Cルートは、基本的には谷を詰めていく道で、ラストに尾根に登り山頂に達します。
谷をとことん詰めていくと間違いなので、どこの地点(地図のC地点から少し南西に進んだ地点)で谷から離れ北(左)のトラバース道に曲がるかを確認する必要があります。
その先も谷を進んでいきますが、その途中でも北(進行方向の左)隣りの尾根にどの地点で登るかを見極める必要があります。
この拡大図の左端から来ています。
そこを南に取れば、Dルートです。
Cルートは、基本的には谷を詰めていく道で、ラストに尾根に登り山頂に達します。
谷をとことん詰めていくと間違いなので、どこの地点(地図のC地点から少し南西に進んだ地点)で谷から離れ北(左)のトラバース道に曲がるかを確認する必要があります。
その先も谷を進んでいきますが、その途中でも北(進行方向の左)隣りの尾根にどの地点で登るかを見極める必要があります。
拡大図その2
どちらの谷に行っても、主尾根に上がれるという情報があります。
上がれるといっても、それは上がった人がいるという程度の情報です。ここはかなりの急傾斜で、安全性は保証できません。
谷は湿っていて滑りやすいです。
Eルートは、地蔵院池付近から尾根を登ってピーク234を目指す道です。
利用者は、少なからずいるという情報です。
利用者は、少なからずいるという情報です。
地図のEとFの間に黒い破線の尾根道が記されていますが、利用者がいないという情報があります。
もちろんこの情報は私が入手した情報なので、もしかすると利用している人がいるかもしれません。
もちろんこの情報は私が入手した情報なので、もしかすると利用している人がいるかもしれません。
Fルートは、車道の北にある谷を詰めて地蔵越を目指す道です。
途中で、車道と合流します。
ここは、利用者が多いという情報があります。
途中で、車道と合流します。
ここは、利用者が多いという情報があります。
<眉山南ルート、A・B・C>
位置
拡大
A・B共に、南から、谷を詰めていく道です。
さらに拡大図その1
Aルートは、川北の天王神社の南から入っていく道(新しく作っているトンネルの北)から、出発します。
谷をクネクネと回る道から北の尾根の上に登り、そこを渡って北隣りの谷に行きます。
その谷を上のほうに詰めていく道です。
ピーク196に達します。
谷をクネクネと回る道から北の尾根の上に登り、そこを渡って北隣りの谷に行きます。
その谷を上のほうに詰めていく道です。
ピーク196に達します。
利用者は、あまりいないという情報です。
Bルートは、同じ川北の四門寺の北にある谷を通る林道を登っていく道です。
そのまま主尾根に登り北東方向に行くと、地蔵越に達します。
そのまま主尾根に登り北東方向に行くと、地蔵越に達します。
こちらも、利用者はあまりいないという情報があります。
さらに拡大図その2
東の尾根の間のコル(山と山の間)を通って、尾根の東側を登っていくような。
ここには多数の利用の形跡がある情報がありますが、この上や下の利用が少ないことと照らし合わせて、不可解な印象を受けます。
ひょっとすると途中で間違えて入り込んだのかも、知れません。
Cルート拡大
ただ私の知らない情報があって、利用者がいるのかもしれません。
私の持つ情報では、この黄色い車道から漏れ出るように歩いている人が、かなり少ないですがいるようです。
マイナーな道は、安全性が分からないので利用しないほうがいいかもしれません。
<眉山南ルート、D・E>
ピーク282から下っている情報もありますが、この神社の御旅所付近で途切れていたりします。
このピーク282の少し南に、眉山山頂に行く道との分岐点があります。分岐点を間違えてここに入り込んでも、神社の御旅所付近を通過できれば下に降りられる可能性がありますが、はてさて。
Eルートは、上福万の造成された住宅地付近から出発し、尾根の上を登りいちおう上までつながっているという情報があります。
出発地点拡大
拡大その2
<眉山南東いろいろ>
山頂にある眉山公園のすぐ南に車道(パークウェイ)が通っていますが、ここの途中から山頂に向けて登ろうと試みる人がいるようです。
そのうちトイレのある方向に北北東に延びているルートと、展望台のあるパゴダ塔がある方向に南東から延びるルートは、地形図に記されている道です。
とくにパゴダ塔に向かうルートは、利用が多数に上っているようです。
拡大図その1
拡大図その2
この方向からトラバースに(等高線沿いに)南に歩き、パゴダ塔に直接アプローチするこのルートに合流する人も少なからず、います。
えらいやっちゃ!
えらいやっちゃ!
よいよいよいよい!
あ、やっとさー!
あ、やっとやっとー!
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