道迷いを防ぐための地形図遊び5 景信山周辺のバリエーションルート<東尾根>
この辺りになってくると、そろそろ本格的な登山技術が要求され始めます。
気軽にハイキングというような軽装で、地図もコンパスもGPSも持たずに行けるようなレベルを超えてきます。
正確な地図読みが必須になってきます。
(国土地理院webサイトの地図に書き加えて作図し、正式手続きで引用しています)
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
今回は、景信山の東尾根を採り上げます。
この地図には、北の沢に降りていく道と、南の細長い盆地に降りていく道(3本ある。うち1本は小仏峠経由)が既に破線で描かれていますが、これが一般登山道です。
そしてバリエーションルートは、地図に見えている尾根道です。
「え?地図のどこに見えているの?」
という人に、このブログがおすすめの案内となります。
地図読みのできる人は、この地図を見ただけでどこに尾根があるか、自然の分岐があるかが、一目瞭然でしょう。
そういう人には、このブログは読まなくてもだいじょうぶです。
ただこの地図は、この縮尺だと親切なことに起伏が分かるような描き方をしています。この点が、国土地理院地形図の優れたところです。
最大縮尺に拡大すると、その起伏の描写が消えます。その代わり、地形のより細かな起伏が見えてきます。
自然の分岐点が、いっぱいありますね。
どの道を選んでも行けそうです。しかし。
等高線の幅をよく見てください。
中央に東西に延びる尾根がありますが、北の沢に降りていく支尾根は、急斜面を降りていきます。急斜面というと、崖、崖、崖です。選択を誤ると、危険です。
赤いマーカーは、自然の分岐点を指します。
分岐点というと、登山道同士の分岐点を想像しますが、大自然の中には特に標識が無い場合は様々な分岐点が存在しています。
ここでは主に地形上の分岐点を示していますが、他には人がそこらじゅうを勝手に歩いて(林業目的や山菜取り目的、送電線点検目的などもあります)作った道との分岐点や、獣が歩く道との分岐点もあります。
バリエーションといっても、さすが街に近いだけあってかなりの人数が既に行き来しています。標識は存在しませんが、ポピュラーなルートになりつつあります。
その迷う可能性のあるポイントが、赤いマーカーの場所です。
ピンク色のルートは、いわゆる勝手ルートです。人の踏み跡(某登山アプリを参考にしました)の多い道です。
なかには、東に降りるルートなど普通によく使われている、つまり安全なルートというのもあります。
しかし、大久保山から北に降りる道は、踏み跡が途中で途切れています。「X」を書き加えました。
等高線の幅の狭さを見ても、かなり斜度の大きい場所といえます。危険でしょう。
あと、北のふもとを東西に連なるトラバースするような勝手ルートがありますが、谷を越え尾根を越え谷を越え尾根を越えというとんでもない道だと思います。ショートカットしたいのでしょうが、ちょっと厳しいのではと考えますね。
ここを降りていく人はあまりいないと思いますが、迷い込んだ時のために示しておきます。
もちろん登山の目的は、人それぞれです。特に友人と一緒に行くときは、登山は二の次で友人との楽しい談笑が第一目的ということが多いですね。
しかし大自然は、甘くありません。このような低山でも、簡単に遭難します。人は、高低差3メートルで命を落とします。
斜めに入っている赤い細い線は、磁北線(磁石の南北を示す)です。コンパスを持っている時に目安に使う線です。磁石の北と本来の北(北極点の方向)は、ずれています。
「X」が付いていないので、各自の都合で選んでいいというものです。
問題なのは、行く予定のルートを間違って選んでしまうことです。
このようにあらかじめ下調べしていれば、どの道を選ぶかは一目瞭然でしょう。
最後に、皆さん、低山であっても登山届は必ず出してくださいね。いまは、登山アプリで簡単に出せます。
また登山届(登山計画書)を出したなら、勝手なショートカットやルートの途中変更は慎むべきです。
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