遭難事例の検証5 山頂の城跡に誘われて(京都の琴滝)
今回は、京都府中部の美しい滝、琴滝付近で起きたプチ遭難事例です。
国土地理院地図に作図したものです。
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
プチ遭難が起きたのは、この琴滝の北側にある山です。
標高384メートルの頂上付近に、昔の城の跡があります。
ここに琴滝から登ろうとして、道に迷ってしまった事例です。
この山の特徴は、斜面の斜度が大きいことです。等高線の幅が非常に狭いです。
この山で道に迷ったら、命の危険もあります。
ここで、山登りの基本を思い出しましょう。
山に登る登り口は、まず谷を登る。急斜面で行けなくなったら、隣りの尾根に登る。
もちろん初めから尾根に登るほうが近いのですが、登り口の尾根はだいたいが崖です。
登るための階段が設置されていることがありますが、その多くが急登です。
谷は、平地に近いところはなだらかなので、最初の登り口では重宝されます。
<山の姿形を知る>
山頂を中心に、北西から東南東の方向に尾根が延々と続いています。
ここの斜度は、南北の斜面の斜度より小さく、比較的緩やかになっています。
つまり、ここが第1のルートです。
ここの斜度は、南北の斜面の斜度より小さく、比較的緩やかになっています。
つまり、ここが第1のルートです。
東から来るときは、稜線を伝う縦走になります。
もう1つのルートは、琴滝付近から登るルートです。
急斜面なので、登れそうな谷を探します。
一番便利なのは、琴滝のすぐそばにある谷です。ここから登れるとよいのですが。
急斜面なので、登れそうな谷を探します。
一番便利なのは、琴滝のすぐそばにある谷です。ここから登れるとよいのですが。
<琴滝から登る>
拡大しました。
紫色で針葉樹と書いてある谷が、尾根の上まで登れます。
ここは、他の谷に比べ等高線の幅が広く、つまり斜度が大きくない特色があります。
途中に行く手を阻むような滝もないという情報があり、登れます。
(情報の正確さについては、現地で確認してください)
尾根の上に登ったら、そこから西に尾根伝いに行けば山頂に到達できます。
紫色で針葉樹と書いてある谷が、尾根の上まで登れます。
ここは、他の谷に比べ等高線の幅が広く、つまり斜度が大きくない特色があります。
途中に行く手を阻むような滝もないという情報があり、登れます。
(情報の正確さについては、現地で確認してください)
尾根の上に登ったら、そこから西に尾根伝いに行けば山頂に到達できます。
<西端から登る>
この山の尾根の西端です。
これだけを見れば、そのまま西端から登れる、西端に降りることができそうですが。
これだけを見れば、そのまま西端から登れる、西端に降りることができそうですが。
西端からは登り降りができないという情報があります。(正しくは、現地確認のこと)
それでは、どこから登り降りすればいいでしょうか。
ここで登山の基本を思い出します。登りは初め谷、やがて尾根へ。
そう、谷を利用して登り降りします。
それでは、どこから登り降りすればいいでしょうか。
ここで登山の基本を思い出します。登りは初め谷、やがて尾根へ。
そう、谷を利用して登り降りします。
緑のマーカーが付いている箇所は、コルと呼ばれる地点です。
両側に谷があります。
北ないし南のどちらかの谷のうち、安全そうなほうを選んで登り降りします。
南のほうが安全という情報がありますが、現地で確認してください。
両側に谷があります。
北ないし南のどちらかの谷のうち、安全そうなほうを選んで登り降りします。
南のほうが安全という情報がありますが、現地で確認してください。
<谷、尾根を歩くときの注意点>
なお、谷を登る、谷を降りるといっても、谷そのものを歩くのは難しいです。
水が流れていたり、石・岩だらけで滑りやすかったりするからです。
できるだけ、谷に沿った土の上を歩きましょう。
水が流れていたり、石・岩だらけで滑りやすかったりするからです。
できるだけ、谷に沿った土の上を歩きましょう。
尾根も同じことで、尾根は鋭かったり、狭かったりします。
尾根が平坦ならその上を歩き、鋭かったり藪だらけだったりのときは尾根を避ける脇道を見つけて歩くのがいいでしょう。
また尾根の登り口は急傾斜なので、つづら折りにジグザグに歩いて徐々に標高を上げていくのがよいでしょう。
尾根が平坦ならその上を歩き、鋭かったり藪だらけだったりのときは尾根を避ける脇道を見つけて歩くのがいいでしょう。
また尾根の登り口は急傾斜なので、つづら折りにジグザグに歩いて徐々に標高を上げていくのがよいでしょう。
<地形に鈍感な人の存在>
また人によっては、目の前の風景が目に入らないという人がいます。
「こっちがピークで、こっちが谷」と風景を見ながら言っても、「何を言っているのか意味が分からない」という人がいます。
そういう地形に鈍感な人は、道迷いを起こしやすく遭難しやすい傾向があります。
登山には向いていないのですが、登山に詳しい人を仲間にして登山するしかないでしょう。
「こっちがピークで、こっちが谷」と風景を見ながら言っても、「何を言っているのか意味が分からない」という人がいます。
そういう地形に鈍感な人は、道迷いを起こしやすく遭難しやすい傾向があります。
登山には向いていないのですが、登山に詳しい人を仲間にして登山するしかないでしょう。
(この写真をパッと見て、右側に高いところがあるのが見えますか?
見えない、分からない人は、地形に鈍感な人です)
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