登山準備地形図遊び3 東京都町田市、大戸緑地付近の低山

「いつも思うけど、あの山、どんな山なんだろう?」
そんな疑問を解決しようというわけで、気になる無名の低い山々を地形図で調べてみる企画です。
かなりローカルでピンポイントです。

今回は、東京都にある高尾山のちょい東側にある、こんもりとした低山にスポットを当ててみようと思います。
町田市の西端です。

(町田市のJR町田駅前。北側)





ここです。町田市西端。


大戸緑地という自然公園が、あります。

奥のほうには、青少年センターというアスレチックやキャンプができる施設があります。
東に、法政大学の多摩キャンパス。
北に、拓殖大学の八王子国際キャンパスがあります。

見た目は、普通のこんもりとした低山です。
山の標高は、神奈川県境は300メートルを超えていますが、それ以外はだいたい250~300メートルの間です。
南端に境川が西に流れていて、ときおり洪水を起こす恐れがある模様です。
堺川付近の標高は180メートルくらいで、この付近に住宅が密集しています。
ゆえに日常生活目線から見た山々の実質高さは、70~120メートルといったところです。

さて、国土地理院地図に作図していきましょう。
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
まずはちょっと高い所を緑色でマークして、次に谷沢を青い線でなぞりチェックします。













こんもりとした低山だと思っていたら、意外と川や谷沢が多数存在しています。

青い太い線は、川幅が広いので地形図上に載っている川。
青い細い線は、川幅が狭いので地図に載らない川や谷・沢。
2本の太い川とその支流で、地図上がいっぱいになっています。

この多数の水流から、この付近は土質が柔らかいのか水流が激しいのかどちらかあるいは両方の理由により、谷沢が鋭く大きく山に刻まれていることが分かります。
大雨や豪雨の時は、土砂災害に警戒が必要と思われます。
(町田市のハザードマップを見ると、この2つの川の流域が警戒区域になっています)


次は、尾根を赤い線で書き加えます。南北に引いている赤い線は、磁北線です。





















こんな狭い地域なのに、とても複雑な起伏に富んだ山容です。















この地域の北端の、権現谷と呼ばれる辺りです。
畑が広がり、農業をされている人が多い模様です。住居がある辺りの標高は200メートルです。
地図に載るような幅の広い川が奥のほうから流れ下っていて、山(標高230~270メートル)を大きく深く鋭く削っています。















右下の端に、大戸緑地公園の駐車場(標高196メートル)があります。
池(標高209メートル)が、特徴的です。
その北に、先ほどの権現谷の南にある山の連なりがあります。頂上付近の西のほうは、平たく広がっています。















右上の端に、大戸緑地公園の駐車場(標高196メートル)があります。
この緑地公園域には幅の広い川が無いので、山々を刻む谷沢も鋭くなく、そのため山々は比較的緩やかになっています。頂上付近(標高250メートル前後)は、大きく平たく広がっています。

西の川の南岸は、谷が大きく深く刻んでいて山容が複雑になっています。
ピークとピークの間付近から谷沢が下っているのが、見えるでしょう。浸食が激しく進み、山の連なりが分断されつつあります。ゆくゆくは、3つの孤立峰(標高は、西から260、263、258メートル)になるでしょう。















西端の地域です。
青少年センターのある場所の標高は、218メートルです。
南の山々の標高が300メートルを超えてきました。等高線の幅が狭く、急な斜面です。土砂災害に注意が必要な地域です。

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